もしも研究所

ノーベルのダイナマイト特許 平和賞を遺した男の矛盾

歴史のあやまち · 2026-07-01 · 約466字 · 約2分

ある男が、世界で最も殺傷力のある爆発物の特許を取りました。 そして数十年後、その特許で築いた財産で「平和賞」を作りました——。

矛盾しているように聞こえる話ですが、これはアルフレッド・ノーベルという人物の、おおむね事実に近い略歴です。

1. ニトログリセリンという厄介者

19世紀半ば、化学者たちはある液体に頭を悩ませていました。 ニトログリセリン——1847年にイタリアの化学者アスカニオ・ソブレロが発見した、油のように見える透明な液体です。

その爆発力は、当時の主力火薬であった黒色火薬の数倍に達するといわれていました。 鉱山開発、トンネル掘削、運河建設——巨大土木の時代を迎えていた欧米にとって、これは喉から手が出るほどほしい技術でした。

ただし、致命的な欠点がありました。 衝撃に弱すぎるのです。

少しの揺れ、少しの摩擦、わずかな温度変化——それだけで爆発する。 輸送中の船が突然吹き飛ぶ事故が、欧米各地で相次いだといわれます。 ソブレロ自身、自分の発見を「人類への贈り物として勧められない」と発言したと伝えられています。

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