19世紀エジプト・スカラベ大量偽造 グランドツアーが生んだ贋作産業
歴史のあやまち · 2026-07-08 · 約462字 · 約2分
19世紀の エジプト・ルクソール、ギーザ、カイロのバザール——
そこに足を踏み入れた欧州の旅行者たちは、決まって同じ光景を目にしたとされます。 古代エジプトの護符「スカラベ(糞玉転がし甲虫の彫像)」 を売る現地の商人が、無数に立ち並んでいたのです。 1個わずか数ピアストル、まとめ買いで割引、というカジュアルな商売でした。
旅行者たちはこれを「3000年以上前のファラオ時代の遺物」として、誇らしげに本国へ持ち帰りました。 19世紀後半、ヨーロッパ各地の家庭の応接間には、エジプトみやげのスカラベが飾られることになります。
ただ。
20世紀以降の博物館コレクション再評価で、これら大量のスカラベの相当部分が 19世紀に現地で量産された贋作 だった、ということが明らかになってきました。 家庭応接間のスカラベの大半は、ファラオ時代ではなく、ヴィクトリア女王と同時代の「現代品」だったのです。
1. スカラベとは何だったか
古代エジプトの スカラベ(scarab) は、フンコロガシ(タマオシコガネ)を象った護符です。
