もしも研究所

もしIBMがPC事業を売らなかったら、Lenovoは生まれなかったのか

もしも時間 · 2026-12-28 · 約725字 · 約2分

この記事は、特定の個人や企業を断罪するためのものではありません。 公開されている資料や報道をもとに、ある時代の選択肢を振り返る思考実験です。 実際の歴史は一つの判断だけで決まるものではなく、 経済・技術・制度・人間心理が重なって動きます。


まず事実——IBMがパソコンを「生んで」「手放した」まで

1981年、IBMはPC(パーソナルコンピュータ)市場に本格参入し、「IBM PC」として現在のx86アーキテクチャを基盤とするパソコンの標準を事実上確立した。以後のWindowsコンピュータ市場は、このIBM PCが作った規格の上に成り立っている。

しかし1990年代に入るとIBMのPC事業は苦境に立たされた。Compaq、Dell、HPといった競合がコスト競争力で台頭し、IBMのPC部門は慢性的な赤字に苦しんだ。

一方でIBMはサービスとソリューション事業への転換を進めていた。1993年にルイス・ガースナーがCEOに就任して以来、IBMのビジネスモデルはハードウェアよりもITサービス・コンサルティングへと軸足を移していった。

2004年12月、IBMは個人向けPC事業(Think Pad等)を中国のLenovoに17億5,000万ドルで売却すると発表した。2005年に取引が完了し、ThinkPadブランドはLenovo傘下に移った。

現在、LenovoはPC出荷台数で世界トップクラスのメーカーとなっている。IBMはサービス・クラウド・AI(Watson)中心の企業として再定義された。


なぜ「IBMがPC事業を売らなかったら」が分岐点なのか

IBMのPC事業売却は、IT業界の地政学的な変化という文脈で見ると、単なる企業再編以上の意味を持つ。

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